Rose of blood
『食べないの?』

『なんだかお腹が空いてなくて……すみません』

『謝る事はないよ。でも少しは食べないと体によくない』

「……はい」



食欲はなかったが、近くに置いてあるフルーツを手に取り、イチゴを口に運んだ。


凄く甘くて美味しかった。


こんなに甘いイチゴを食べたのは初めてかもしれない。


広い部屋にいることに慣れていないからか、落ち着かずそわそわしてしまう。



『何だ』

「なんだか落ち着かなくて……」

『すぐに慣れる』



ぶっきらぼうなのか優しいのかよく分からない人。






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