Rose of blood
使用人にアルファナ卿とアマンダを馬車まで送らせた。


最後に見せたアルファナ卿の目……。


このまま黙って身を引くことはないだろう。



「本当に……ローズ……なの?」

「はい、エマおば様。ご無沙汰しておりました」



母はローズに抱きつき涙を流した。


存在を確認するかのようにきつく抱きしめている。


ローズも母の気持ちに応えるかのように、背に腕を回し泣いている。


母の涙を見たのはサルエラが滅び、ローラ様たちが亡くなったと聞かされた日以来だ。


セリアルは母の涙を見たのは初めてで、少し戸惑っているようだった。







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