Rose of blood
『何を見ている』

「何も。ただ寂しい部屋だなと思って」

『部屋に寂しいもくそもない』



本当にこの人は悲しい事を淡々と言う。


それも悪気も無く……。


本当にそう思っているんだろう。



「ご用がありましたらお呼び下さい。いつものお部屋におりますので」



会釈をし部屋を出ようとしたら、男に話しかけられた。



『いい加減諦めろ』

「いいでしょ別に。一度許可を出したんだから、私が自ら諦めたと言うまで黙っててちょうだい」

『…………』



私は早々に男の部屋を出てある部屋へと向かった。






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