Rose of blood
「今は詳しい説明をしている時間がございません。これを……」



アイシャという女がポケットから何かを取り出した。



それはローズにあげたはずのブレスレットだった。


俺はそれを手に取った。



『これをどこで!?』

「ローズから預かって参りました。シエル様たちにdarkmoonの屋敷の場所を知らせてほしいと」

『ローズは今どこだ!?無事なのか!?』

「キングが我々を逃がしてくれたのですが、ローズは我が父アルファナとdarkmoonの繋がりを示す物的証拠を探す為、屋敷へ戻ってしまいました……」

『何、だと……!?』



証拠よりも俺にとってはローズと子供の命の方が大切だというのに。


何てことだ……。


それにキングが自らローズたちを逃がすなんて……いったい屋敷で何が起こっているというんだ。



「屋敷までご案内致します」

『あぁ、頼む』



俺たちはアイシャの後ろに続き、darkmoonの本拠地へと向かった。






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