Rose of blood
「セリアルはアイシャの事が好きなのね」

『えっ!?』

「あら、私の勘違いだったかしら?」

『自分でも……よく分からないんだ。でも、放っておけない』

「そう、ならゆっくり一つずつ自分の気持ちを確認していけばいいと思うわ」

『うん』



シエルもセリアルのアイシャに対する気持ちが何なのか、気付いているだろう。


でも私たちはその好きが恋だとは教えないだろう。


自分で気付かなければ意味がないと思うから。


今日何度目か分からないノックの音が部屋に響いた。



「失礼致します」

「女官長……」

『終わったのか?』

「はい。ですが、アマンダ様はだいぶ興奮なされた様で、薬で眠らされております」

『アイシャは!?』

「アマンダ様に付き添っておられます」



女官長の言葉を聞くや否や、セリアルは慌てて部屋を出て行ってしまった。






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