Rose of blood
「何でもいいの?」

『できることならな』



以前からお願いしたかったことを、思いきって聞いてみることにした。



「……お城の外に行ってみたい」



考えこむシエル。


やっぱりダメなのかな……。



『……分かった。あまり遠くへは行けないが、それでもいいか?』

「うんっ!!ありがとうシエル!!」



嬉しくてはしゃいでいると、シエルに笑われてしまった。


こんなに柔らかい顔で笑うんだ。


シエルの新しい一面を見るたびに好きが増えていく。


いつもそれを必死に圧し殺すの……。


これ以上好きになったら一緒にいられない気がするから。






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