できちゃった結婚〜もしも俺が赤ちゃんになったら〜


俺が仕事に就きだしたのは、ちょうど一年前。

営業の仕事だ。

人と話すのは嫌いじゃないし、何より給料がいいからとやりだした仕事だった。

慣れないスーツを着て、慣れない敬語を使う日々。

もともとバイトしかしてない俺だったし、まともに就職活動なんてしたことがなかったから、社会の厳しさを痛感した。

それでも日に日に大きくなる希のお腹を見ては、頑張ろうと思った。

弱音なんて吐いてる場合じゃねぇって。


それから真紘が産まれて、なお頑張らないと思った。


でも…俺はいつまで頑張ればいいんだろう。


おじいちゃんになるまで頑張って、ただ死んでいくのだろうか。


それって幸せなのかな?

結婚ってそういうものなんだろうか。


真紘が産まれてから、

なんだか父親とか夫とか……

わかんなくなってきた。




そんなことを考えてしまうこの頃。

上の空で仕事をしていたせいか、仕事をしだして初めての挫折を今日味わった。



.
< 4 / 32 >

この作品をシェア

pagetop