【短編集】翳りゆく部屋 ~サビシガリヤノオンナタチ~
嫌そうな顔を露骨にして、真一は香純の肩を抱え、ホテルの部屋へと入った。


香純をベットに寝かせ、帰ろうとする。



「じゃあ、俺は帰るから」


こんな所に来ても、真一は態度を変えようとはしない。


香純は、哀しくなった。


こんな男の為に使った、今日一日。

いつもの週末なら、もっと楽しく過ごしていたのだ。


解った事は、真一の“冷たさ”だけ。





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