【短編集】翳りゆく部屋 ~サビシガリヤノオンナタチ~
「ただいま」

「ママーーーっ!」



玄関を開ける音と共に、愛する人達の声が聞こえる。


「ママ、さびしかった?」

「お前だろう?
寂しいって泣いたくせに」


明かりを点けながら、夫が瑛太に言う。



「よし、美味しいモノでも食べに行くか!」

「ママの卵焼きが食べたいなぁ、甘いやつ」


「今日は、ママもお仕事はお休み」



そう言って、夫が私にウインクをした。








【完】

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