海の唄が聴こえる夜〜想いを君に伝えたい〜
「ホントに!?」
汐莉がそう言った時、カットが入った。
「もえちゃん!セリフ間違い何回目なの?」
三厨に怒られ、仁藤は頭を何回も下げていた。
「ちょっと、休憩入れるよ!もえちゃんは、台本の復習をして!」
部員が散る中、仁藤は近くの木陰に座ると台本を開いた。
「隣り…いい?」
その声に仁藤は頭を上げた。
そこには、浩二の姿があった。
制服の詰め襟にあるクラスバッチが上級生の物であるのは知っていたが…。