部活後サイダー

7時近いのに、まだまだ明るい。そんでもって、暑い。

3時間近いハードな練習をこなして、体はぐったり。

今日もお疲れ様、自分。

なんて思いながら、学校前の自販機で買った、100円のサイダー。

プシュ、と中から空気が出る。

ごくり、ぴりぴり。

ふう、冷たい。爽快感。


「あ、サイダー。いいなぁ」

一息ついたあたしの後ろに、自転車にまたがった先輩がいた。

どきり、胸が高鳴る。

「あ、せ…先輩」

「ちょーだい」

「え?」

ひょいとあたしの手から缶が奪われる。

え、え?

ごくり。

「ん、美味い。ありがと、カナちゃん、またあした」

先輩は微笑み、あたしの元に缶を戻して、颯爽と帰ってしまった。


帰りの間じゅう、缶を見つめながら歩いてしまった。

家の前まで来て、やっと一口。


ごくり、ぴりぴり。

サイダーは、もう、ぬるかった。





*部活後サイダー*
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