マイベイビー&ハピネス☆


「大翔くんは、今夜死ぬんだもの」


「!?」


「薫くん、あなたが大翔くんに情が移っていくのは、仕掛けた盗聴器からよく分かったよ」

「大翔はどこにいるんだ?」

「大翔くんがいなくなったら、あなたは、いい厄介払いが出来たと思う?それとも絶望に打ちひしがれる?」

「どこにいるって聞いてるんだ!!」

「私は後者だと思う。だから、これからしばらくは、薫くんの不幸な顔が見られるかな」


俺は和美の胸倉をつかみ、勢いよく地面に突き倒した。

傷ついた腕の痛みすら感じなかった。


「どこなんだ!!!」


和美は、痛そうに顔をしかめたが、すぐに笑顔で言った。


「そろそろいい時間かな?

大翔くんはね、学校のプレハブハウスにいるわ。

どこの部屋にいるかは、私も知らない」


俺は急いで駆け出した。

後ろから、和美の不気味な声が追いかけてきた。


「何も出来ずに、目の前で自分の息子が死んだら、あなたの不幸は倍増だよね?」


< 178 / 210 >

この作品をシェア

pagetop