マイベイビー&ハピネス☆


やがて、彼女は立ち上がった。



「そろそろ、行くわね」

「ああうん。ありがと…菊」


夕貴はドアの所まで行き、そしてふと、振り返った。


「あの子を育てるなら、薫」


俺の目をじっと見る。


「あなたもちゃんと、いい家族になるのよ」


そうして、ほんの少しだけ微笑み、去っていった。

なんだかすごく珍しいものを目にした気がして、俺は呆然とドアを見つめた。



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