夏の事。
「古谷あかりさんだね?あなた、妊娠してますね」


「え…?」

眼鏡を付け、30代くらいの、優しそうな雰囲気を持った医師が
対座する様に椅子にかけたあかりに対し、発した第一声はこれだった。


あかりは衝撃を受けた。

確かに検査薬で印が出ていたけれど。


「ここ」に来て、得た「確証」に対し、


(取り返しも付かないことをしてしまった……)


そう身を以って実感し、

これからの事の想像が出来ない先の事を考え、


ブルッ…


体が震えた。
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