夏の事。
(今日の仕事はなぁにかなぁ〜?)

そう思いながら、キーッと自転車を止め


土地の中にある大きな車庫にタケルは顔を覗かせ、


「じいちゃぁぁぁ〜んっ!!」

と言った。


いつもなら「おお、タケルか」
と、ここの内の主は答えてくれるのに、今日は誰の返事もない。


(…おかしいなぁ…。)


そう思いながら、タケルは家の玄関を開けてみた。



ガチャッ。


絶対に閉まっているだろうと予想して、開けた玄関が予想に反していとも簡単に開き、タケルは驚く。


玄関を覗く。


(ん?)


そこには見た事の無い、黒い大人っぽいミュールがちょこんと置いてあった。


(……誰のだろう?)


タケルは疑問に思う。


疑問に思った途端、ハッとタケルは気付く。


(お、おれ、これじゃあただの空き巣じゃんっ!!)


そう思い、


「ごめんくださぁいっ!!」

と一声かけた。

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