きみが見た光
「へ? じゃねぇし。あのな、マジで凹むんだぞ」

「あ? あぁ…」

驚きを隠せず、俺はつい曖昧にうなずいていた。

知らなかった…

だって今までに適当に女と付き合ったりしてたじゃねぇか

「意外だった? でも彩夏の手前、お前に言えるわけないじゃん? お前ら二人は俺にとって大事だからよ、壊したくなかったしな…」

「…圭」

まだ知り合って2年しか経っていない圭。俺はこの2年、あっという間のような気がするが、こいつにとっては長かったんだろうな…

俺の空いた片手は、着ているパーカーのポケットの中で固い拳を作っていた。

俺はこの2年間、こいつの何を見ていたんだろう?

色々と解り合える親友だと思っていたのに、解ってくれていたのは圭だけじゃねぇか…

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