きみが見た光
「ね、いい考えでしょ☆」

人差し指を立て、ウィンクする彼女を余所目に、俺は青に変わった横断歩道を渡り出した。

「なーにが『いい考えでしょ☆』だよ」

☆少しだけ後ろに顔を傾け、俺は言った。

「お前の事情を押し付けてくんな」

「別に、あたしと付き合うたって、学校帰りとか予備校帰りとかに一緒に帰るだけだよ? 簡単でしょ?」

彩夏がニコッと笑ったところで、急に辺りの人通りが増えた。

夜の下で、うるさいほど明るい照明に照らされた乗客が、いっせいに改札を出て来たのだ。



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