1LOVEワガママ漫画家と忠実執事の甘い秘め事
携帯が鳴った。仕事中は出ないけど、こいつからの着信には毎日出ていた。
「もしもーし」
『こんばんは、皆吉です。今からそちらに伺ってもよろしいですか?』
「ネーム描くから相手できないよ?」
『構いません。お仕事の邪魔はしませんので。1日でも杏さんと会えないなんて耐えられません』
「それなら来れば? じゃあね」
一方的に切って、携帯を投げた。皆吉が今どこに住んでいるのか、どんな仕事をしているのか知らないけど毎晩うちにやって来ていた。
――私を口説きに。
「くくく……両思いなのに。あいつ鋭いくせに変なところ鈍いな」
目標ができた私は、まだ自分の気持ちを伝えてなかった。