1LOVEワガママ漫画家と忠実執事の甘い秘め事



顔を傾けて、ゆっくりと皆吉の顔が私に近づいてくる。


キスまでの距離。時間。そして、する側の表情を瞬時に頭にインプット。



唇が触れそうになった瞬間、私は顔を背けた。



「全然かわせるじゃん。よく強引にキスされたりする漫画あるけど不可能ね。顔を背ける時間はたくさんあったし」


「……では、こうすれば?」



皆吉は肩に置いた手を私の顎に持ちかえ、上を向かせた。



「悪くない。でも、まだ抵抗できるし」



相手の片手が塞がれたら、両手が自由な女の子が思いっきり体を押しちゃえばいいんだから。


案の定、皆吉は私の手によって後ろに数歩下がる形になった。





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