俺様彼氏と清純彼女~夢のおくりもの~

†甘い香りの罠

◆◇◆◇◆◇

その日も、私は尚哉の部屋に顔を出した。

「祐二さんの香り…」

私はいつか、この甘い香りを『祐二さんの香り』と認識する様になった。

予想通り、祐二さんはリビングで煙草をくゆらせていた。

「祐二さん」

私は何時も通り祐二さんに明るく声をかけた…しかし、反応が無い…

「祐二さん?」

今度は少し大きな声でそう言ってみた。

「――ああ、桃子か。今、帰りかい?」

「ええ、そうです。どうしちゃったんですか、ぼうっとして」

「ん、ちょっと考え事…」

祐二さんはそう言って煙草を携帯灰皿の中でもみ消すと、ゆっくりと立ち上がった。

「あれ、もう、行っちゃうんですか?」

「今日はちょっと、これから人に会う約束が有ってね。所謂、接待って奴だ」

「わぁ、大変ですね」
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