俺様彼氏と清純彼女~夢のおくりもの~
「では、回りくどい事は無しだ。単刀直入に聞くが、君は桃子の事を、どう思っているのかね?」

尚哉は音さんの顔を、改めて見詰めた、そして、きっぽりと、こう言った。

「桃木さんとは、今は経済的に無理ですが、行く々は…結婚したいと思います」

私の心臓が、どきんと脈打つ。お父さんの顔が少し歪む。お母さんは無表情に、そして尚哉の視線はまっすぐにお父さんを見詰めた。

「桃子さんを、私に、下さい」

尚哉はそう言ってお父さんに頭を下げた。

「お父さん…お願い…私も尚哉と同じ気持ちなの…」

私もそう言って、お父さんに頭を下げた。

「あなた…」

お母さんがお父さんに返事を促す。でも、お父さんは何も言わずに、じっと尚哉を見詰めている。

「尚哉君…だったね…」

「はい」

「君は、ご両親が居ないと聴いているが」
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