おしえてください、先生。

――ピンポーン



南のマンションに到着し、部屋のインターホンを押す。

すぐに桜さんが出てきてくれて、中に通してくれた。



「南は部屋にいると思うから~」

「ありがとうございます」



お礼を言って、南の部屋を目指す。

南の部屋の扉を、コンコンとノックをしてから開けた。



「南、遅くなって悪か、った……南?」



南はベッドに座って俯いている。

ちょっと、雰囲気悪すぎないか……?



「返事聞いてから入って下さい……」

「わ、悪い……」



返事を聞かずに扉を開けたことを素直に謝る。

そこで初めて、南の顔を視界に入れた。

南の頬は濡れ、目は充血し鼻は赤くなっている。



泣いてたのか……?



南の手には小さな箱が握られていて、どうやらチョコレートのようだった。

南の顔とチョコレートの箱を交互に見る。



「南、どうした? なんかあったのか?」
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