おしえてください、先生。

「南、余計なこと考えんなよ。なんなら家帰ってから自己採点するか?」

「自己採点……したほうがいいのかなぁ」

「どっちでも良いと思うけど? 自己採点したって、合格ラインにいるかわかるだけで本当に合格かはわかんねえしな」



毎年合格ラインは変動するから、例年の合格ラインに入っていたとしても
今年の合格ラインに入るかはわからない。

自己採点して、一喜一憂したくないな……。



「自己採点、しないでおく」

「いんじゃね?」



雄悟先生が頭を撫でてくれて、落ち着いてきた私は先生から離れる。



「南、帰ろう」

「うん」



雄悟先生と並んで、うちのマンションへ向かう。

合格発表までの間、勉強は続けていく必要がある。

もしも受験に失敗した場合、二次募集があるからだ。

だから二次募集に向けての勉強をこれからまたしていかなければならない。

そして10日後に行われる合格発表が、私の未来を分けることになる。
< 146 / 154 >

この作品をシェア

pagetop