この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

はじける恋心

――――数時間後







バスに乗って市内に行くと大型のモールについた。


うさぎ時代にもここのペットショップには何回か美代と来たが


人間の姿で来るとまた違った印象だった。


俺の隣には、Tシャツとロングスカートでリュックを背負ったゆるカジな美代。


二人で並んでモール内を歩く。


「やったぁ!今、夏のセール期間だって!」


なぜか嬉しそうな美代。


「あ、マサルさん、あれ似合いそう。どうかな?」


美代は店先に吊るしてあるシャツを手に取り俺に向けてくれた。


「え?これ?」


「あれ、微妙だった?じゃあこれは?」


美代は次々に俺の服を選んでは意見を求めるよう俺を見る。


「あ、いや…」


そうじゃなくて。


「俺こういうの、どれもよく分かんねぇから…美代が選べよ」


俺は困った顔で美代を見た。


「え?私が選んでいいの?」


「ああ。美代に任せる」


俺が頼むと美代は少し照れ笑いした。


「私でいいなら…あ、じゃあ、ちょっと選ぶね?」


「ん」


そして美代は、アレがかっこいいとかコレが安いとか言いながら


楽しそうに俺の服を数点見立ててくれた。



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