この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
『ホントにおめぇがマサルニャら…俺が今なにを求めているかわかるニャ?』


ボスはじとっとした疑いの瞳で俺を見た。


「…………」


俺はボスの背中から手を離し、一旦室内に戻った。


そしてキッチンからカニカマを持ってきた。


いつも美代がボスにやっていた餌だ。


「これでどうだ?」


俺はボスにカニカマを差し出した。


腹が減っていたのかボスはあっという間にカニカマをたいらげた。


『…間違いねぇニャ。おめぇはマサルだ』


薄い舌でペロリと口回りを舐めながらボスは俺を見た。


『まさか本当に人間になりやがるとはニャ…』


『諦めなければ奇跡は起こるっポよ』


銀はウンウンと首を上下に揺らす。


「ところで今日は山吹はいないのか?」


俺はもう一度ベランダ越しに腰を落とすと銀を見上げた。


『山吹は仕事で忙しいっポよ。何か問題があったっクル~?』


「あぁ。実は現金を稼ぎたいんだが…方法がわからなくて」


『現金っポね?山吹に伝えておくっポよ』


銀は快く答えてくれた。


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