この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「美代、突然だけどあの出店に行っても良いか?」
海鳥が青い空に消えた後
俺は美代を見ながら浜辺を指差した。
「え?出店?うん、いいけど」
突然のことに美代は少し目を丸くしつつ、快く了承してくれた。
そうして
俺と美代は陸に向かって海の中を歩きだした。
「それにしてもマサルさん…本当に海鳥さんと友達みたいだったよ!」
ジャブジャブと海水を切りながら美代は興奮していた。
頬が少し紅潮している。
「友達じゃないが…アイツなかなか良い奴だったぞ」
「あははうそ~!?ほんとに?」
美代は興味津々らしく、俺に肩をつけて見つめてきた。
「だけど、マサルさんが言うと本当みたいだね」
「…………///」
俺はそんな美代の行動にいちいちどぎまぎしてしまう。
そんな気持ちを気付かれないように俺は話しを続けた。
「あ~…そういや、美代ん家の又吉は性格悪いぞ」
ちなみに又吉とは美代の実家で飼われている金魚だ。
又吉曰くもう10年以上生きているらしい。
そのせいか常にやたらと上から目線で批判してくる。
しかも金魚のくせに異様にデカイ。