この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

コンビニの帰り道






大した距離でもないのに道がやたらと長く感じた。


暗闇にチカチカとなる外灯に、不吉な影をみる。


あぁ…足が鉄で繋がれたように重い…


おにぎりしか入っていない袋もズッシリ重く感じた。


なんだ…?

どうした…??


たかが疲れただけで、俺の体はどうなってんだ?!





ようやく美代のアパートが見えた時には俺は脂汗までかいていた。


「はっ…はぁ…はっ…」


心臓がバクバクして息がきれる。


吸っても吸っても酸素が足りない…


俺は動悸を鎮めるように胸に手を押し当てた。


これは…ヤバいかもしれない。


なんとかアパートにたどり着いた時には、景色が二重三重にダブって見えていた。


「はぁ…はぁっ……」


ドアノブに手をかけようとして心臓ドクンと大きく揺れた。


「っぅう………」



そして


視界が真っ白になり、俺はついに意識を失った。






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