この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

「―…え？」


緊急事態…？


俺の胸が嫌な予感に締め付けられた。


「昨晩、寿司屋に電話があってよ」


「え…？」


「突撃deＱの責任者って覚えてっか？あの嫌な感じのオッサン」


突撃deＱ…


「あ、あぁ…覚えてるけど？」


「そのオッサンから連絡があって。なんかＴＶ局宛に昨日、ビデオが送られてきたんだってよ」


「は…？ビデオ？」


「あぁ、そんでよ。詳しい内容は聞けなかったんだけど…それをマサルに見せたいから早急に連れて来いって」


「はぁ？俺…に？」


ヒゲ男は頷いた。


「マサルの連絡先が分からないから俺に連絡が来たみたいなんだけどよ…」


そしてヒゲ男は言いにくそうに頬をかいた。


「どうも…ビデオの内容は美代ちゃんが関係あるらしい…」


「……！！！」


ヒゲ男の言葉に俺は目を見開いた。


は？

美代が？？！


どういうことだ？？！


「ともかく…今からＴＶ局行けっか？」


「あ、あぁ…！もちろんだ！」






こうして俺たち３人はヒゲ男の軽トラでＴＶ局へと急いだ。