この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「ア、アキラ先輩!」


俺と美代を見つけたヒゲ男はこちらにかけよってきた。


そして



「お、おぁ…?嘘だろ!?」


ヒゲ男は俺の姿を見て目を丸くした。


「マ…サル…お前…撃たれたのか…?!」


ヒゲ男は血まみれの俺を見て、上ずった声を出した。


俺は美代の膝に頭を乗せたまま力なく笑う。


「へへ…少し…かすったみたい…だ……ヒゲ男は…どうして…」


死んだはずのヒゲ男が生きている…


本当に?


血を流しすぎて俺はついに幻覚まで見え始めたんだろうか?


「お…俺はいつも運だけはいいからよぉ…コイツが俺を守ってくれたんだ」


ヒゲ男は刃が欠けた包丁を取り出した。


「それよか…お前…ちょっとばかし血出過ぎじゃねぇか?」


「だ…大丈夫……だ」


ヒゲ男の声に美代も泣きそうな声を出した。


「マ、マサルさん早く病院に…」



そこへ、山吹と銀もやってきた。


「おう、マサルさん。景気はどや?」


「……あ…」


「あ~お礼はいらん。とりあえず武装野郎たちは成敗したから安心せい」


山吹は手をパンパンとやると、にやりと笑った。




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