先見の巫女


「なんだお前」


急に声をかけられ慌てて振り向くと、あの朱髪の青年が立っていた。


「す…ざく…………」


まるで四神の朱雀のような青年だった。


「あ?何で俺の名前知ってやがる」


青年は眉間にシワを寄せてあたしを見ている。


名前…朱雀っていうんだ。偶然とはいえすごいな…


「ごめんなさい!朱雀みたいに朱い髪だから…そうなのかなって……」


そう言いながらもう一度青年を見上げる。


とっても整った顔…。綺麗な人だな……


「ふーん…怪しい奴だな」


素っ気なくそう言うと、青年は口笛を吹いた。


ーピューィィ!!


青年が口笛を吹くとさっきの朱い鳥が飛んできた。




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