先見の巫女
『人間…許さぬ……』
深い憎悪のこもった低い声…
この声は……
「何だ…ありゃ…」
「桜鬼………」
あたしの呟きに、朱雀は驚いた顔であたしを見る。
「悲しい…可哀相な鬼だよ…」
そう言って、あたしは桜鬼に歩み寄る。
「おいっ…雛菊!!」
「待つんだ」
雛菊を追おうとする朱雀を、晴明が止めた。
「あなたは…安倍晴明様…?」
朱雀は晴明様を見て目を見開いている。
「雛菊を信じてあげてくれ…。今此処で…私達に出来る事は無いんだよ」
晴明様は悲しげにそう呟いて、雛菊の背を見つめた。