いい意味で
第十章 二度目
第十章 「二度目」


年を越し、日々はどんどん過ぎていった。年末は変わらずに仕事は忙しく、忘年会に忙しかった。年が明けたら、のんびりした。

若菜さんから連絡はもう来ない。おじさんも12月は東京に来たが、お互い合う時間もなく会わなかった。

それからというもの、おじさんとも会うことはなくなってきた。
たまに大丈夫か?変わりはないか?という電話がくるが、それくらいだ。

どんどん季節は過ぎて、若菜さんと最後にあって一年以上がたった。
音楽も変わらずにやっていたが無名のままでさ

夏前に僕は、通勤時間短縮と日々の変化が欲しくて町田市を出て、中央区日本橋で2DKの部屋を借りて、智久と二人で暮らすことにした。

築年数は古いし設備も古い、だが家賃が安いし、今の僕等が出せるギリギリの値段だ。

引越しはすぐに済んだ。もって行くものは服とパソコンとDVDと布団くらいで
智久は、それプラス音楽機材くらいだった。

あとは、家財道具もか。洗濯機と冷蔵庫。炊飯ジャー。僕は前に一人暮らししていたから
それをまだ実家に残しておいたから、出費はほとんどなかった。

首都高速のすぐ隣で、ベランダからは隅田川が見える。
僕はうるさい所のほうが安心できるし、ボーっと出来る所もあるから、まぁ調子いいよ。

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