一人こっくりさん
第一章 誘い
 
 
『こっくりさんしよー!』


「は?」


 それは、宮下駿という一人のオカルト好きな友人の一言から始まった。

「こっくりさんって……あの十円玉に皆で指乗せてやる奴か?」

 あまり興味のない俺は、話を返しながら次の授業の用意をしていた。


『半分正解かなー。正解は、一人こっくりさん!!』

 お前は太陽かというくらい眩しい笑顔で駿は言った。

「一人?」

 一人でするものじゃないだろ。
 そもそも、出来ないだろ。

「無理だろ」

 だから俺は冷静にそう言った。
 すると駿は、俺の目の前に人差し指を立てて言った。

『チ、チ、チ、それが出来るんだよ〜』

「何でだよ?」

 宿題をやろうとした手を止める。

 俺はオカルトな遊びにあまり興味はないが、何故一人で出来るのかは気になった。

『じゃじゃーん! パソコン〜っ!』

 “じゃじゃーん!”って言ったくせに、何も出してないじゃねぇか――というツッコミはさておき。


「パソコンがどうしたんだよ」

 俺が聞くと、駿は勿体ぶりながら答えた。


『まだ分からないの〜? パソコンで一人こっくりさんが出来るんだよ!』

 
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