一人こっくりさん
第五章 帰宅
 その言葉にまた寒気がした。

「……どういう事だよ?」

『あのさ、こっくりさんって一種の降霊術なんだよ』

「降霊術……?」

 初めて聞く単語に首を傾げる。

『んー、まぁ簡単に言うと霊を呼ぶってことかな』

 霊を、呼ぶ……?
うーん、良く分からん。

『一人こっくりさんでは、北の窓を開けてそこからこっくりさんを呼び出した訳』

「ああー……」

 なるほど、その為に開けたのか。
 ……ん? 待てよ。
 俺はその窓を開けっ放しで来たんだよな。
 って事は

「開けっ放しの窓からこっくりさんは勝手に帰るんじゃないのか?」

『ブッブー。もう、頭悪いなぁ』

 余計なお世話だ!
 俺はオカルトマニアじゃないんだよ!!
 つか成績は一応俺の方がいいのに……。

『いーい? こっくりさんは帰らない。例え窓が開いていても』

 じゃあやっぱり俺の部屋に居座ってるのか?
 なんか、面倒臭い事になりそうだな……。

『しかもこっくりさんは無理矢理呼ばれた上に、そのままほっとかれたんだ。相当怒ってるかもよ……』

 あまりに駿が深刻そうに言うので、何だか怖くなってきた。
 霊が怒ったらどうなるんだ?
たたられたり、呪われたりするのか……?
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