一人こっくりさん
第十七章 消滅
 部屋いっぱいに唸り声が聞こえた。
 地の底から響いているような、人とは思えない声が。

 これが……こっくりさんの声なのか……?

 低い、低い、唸り声は、
 響き、響き、……消えた。

 パソコンがシャットダウンされた。

 消え……た……のか?

 そして、

「うっ!?!?」

 一瞬、全身に痛みが走り膝をついた。
 駿が心配そうに俺に近付く。

「う、ああ……っあ!!!」

 なんだ、これは。
 爪先から、足へ、腹へ、胸へ、首へ、頭へ、何かが溢れる。

「ああああああぁぁぁ!!!!」

 悪い心が、俺の中へ……増幅する、増幅する。

 止 ま ら な い 。

 苦しい!!! 苦しい……!!

「っあああ!!!!」

 何もかも憎い。
 全て、全て、壊れてしまえ消えてしまえ!

「死ねぇぇぇぇええ!!」

 俺は叫んだ。
 もう何が何だか分からない。
 ただ、怒りに任せて叫ぶ。
 もう、止まらない。

 憎い憎い憎い憎い憎い!!!!

 この自分さえも……憎い!!

「うおおぉぉぉっっっ!!!!」

 苦しい、苦しい。
 死にそうだ。
 いっそ殺してくれ――。

 暗黒に染まった、俺の冷たい心。


 あれ……?
< 49 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop