一人こっくりさん
「おまっ……何質問してんだよ!?」

『あれ、聞こえてたぁ? 照れる〜』

 照れるな!!
俺にそっちの気はない!

「なんか……もういい」

 駿のマイペースぶりを聞いていたら怒りも吹っ飛んだ。


 さて……、何を質問しようか。

 試しに一つ質問してみるか。

「こっくりさん、こっくりさん。あなたはこっくりさんですか?」

 我ながら変な質問だが、カーソルはすぐに【はい】に行って、鳥居に戻った。

「……すげぇな」

 もう恐怖心は消えていた。
もっと、質問してみたいと思った。

「こっくりさん、こっくりさん。明日の天気は何ですか?」

 カーソルが動きだした。


【く】

   【も】

      【り】


 ……じゃあ傘はいらないな。

 俺はいつの間にか、こっくりさんの言うことを信じていた。
 もしかしたら明日雨が降るかも、なんて思わなかった。


 俺はもう、こっくりさんにはまってしまっていた。
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