ショコラ~恋なんてあり得ない~

「……結論は皆同じみたいだな」


親父が口元に手をあてながら言う。


「父さん正気? 今意見は分かれたわよ。ちゃんと話聞いてんの?」

「聞いてるよ。ちょっと黙って聞け、詩子」

「う、はい」


じろりと睨まれて黙って見る。
睨み返してもいいんだけど、さすがに好きな人の前でそれをやったら終わりな気がする。


「俺の結論としては両方だ。
全員が言ったように、スイーツには味はもちろん大事だが見た目も重要だ。

見て楽しむ。
テーブルにお出しした瞬間のちょっとした歓声。
そんなものを求めて俺はケーキを作ってきた。

だからこの店の商品として出すならば、『見た目も楽しめるスイーツ』というのは絶対条件だと思う」


格好良く言いきった親父に、申し訳なさそうに宗司さんが耳打ちする。


「それ、必要条件だと思います」

「何っ? ニュアンスが伝わればいいんだ! うるさいぞ教育者!」

「す、すいません」


可哀想に。
怒られたわ、宗司さん。


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