ショコラ~恋なんてあり得ない~

パティシエとして、人生の先輩として、尊敬してはいるけどね。

でもやっぱりウザい。

年頃の娘の恋愛にいちいち口出すんじゃないわよ。


「もういいから仕事してよ! ホラ、開店準備するわよ」

「うわあ、はい! 俺、貯蔵庫から材料運んできますよー」

「宗司、小麦粉三十キロ取ってこい」

「ええっ」


そんなに使わない癖に。
もうホント、呆れちゃうわ。


『ふざけんなよ、親父』


そう心の中で呟きつつ、あたしはエプロンをつけ店へと出る。

< 301 / 303 >

この作品をシェア

pagetop