スニーカー

「つか、蝉色スニーカーからいろいろ話が発展しちまったな~」

「たしかに、予想外の方向に話が発展してたね」


最初はさっさと帰りたいとしか思ってなかった。けど、今は、話が聞けて良かったと思ってる。

これも、このスニーカーのおかげなのかな......?


「おおっ!もうこんな時間!俺、もう帰るね!」


そう言っていきなり黒田君はたち上がった。


「あ、うん。蝉の凄さ、分かったよ。教えてくれてありがとう」

「でしょでしょ?これから俺のこと黒田先生って呼んでね!.......嘘。冗談だって!それじゃーね!」


そのまま、バタバタと黒田君は走っていってしまった。あれ?これも本日2度目な気が......。


とにかく、お調子ものの黒田君は、結局お調子者だった。さっきの真剣な目は何処へやら。

思わず笑ってしまう。


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