スニーカー
「そんな驚くことでもないですよ」

「ああ、すいません。この祖母の話して馬鹿にされなかったこと、初めてなんですよ。いつも何言ってんだよお前~みたいな感じで。まともに話を返してくれた人、初めてです」


まあ、言いたいことは分かる。

私もこのおばあちゃんの話は誰にもしたことが無い。
理由は簡単。高校生にもなって死んだばあちゃんの言ったこと信じてんのかよーと馬鹿にされるような気がするからだ。

だから、なんとなく言えなかった。というか言わなかった。


「確かに、私もこの話、自分以外の人にしたの初めてです」

「そうなんですか。......あ、バス来ましたよ」


見るとシャトルバスが目の前の交差点を曲がり、近づいてきた。

「あ、それじゃ」

「それじゃ」


そう言って、私はバスに乗り込んだ。









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