そら。―HAPPY STORY―

(高瀬夏美サイド)


「ぁっうう゛…」



鎖の、冷たい感触が伝わってきて、世界が凍った気持ちになった。



あたし、大丈夫かなあ…


将来は、立派な香のお嫁さんに、なれるかなあ…



ブランコに座った膝の上に、泣きながらも救われない、酷い顔をしたあたしの写真がある。




「…幸せだったな…」




でも、いっか。


香から、幸せをたくさんもらったから。




香、あたしね



玲くんを気にする香に、気づいていたよ










あたしが居なかったら


香は玲くんと


笑い合うことが出来たはずなのに









< 134 / 152 >

この作品をシェア

pagetop