そら。―HAPPY STORY―

「…ま、大丈夫だろ。俺みたいに、ピンとくる女が出てくるって」




「ああ。結婚は、俺が先にしてやるからな」





ふふんと玲ははにかみ、鞄を右肩の上に置いて空を見上げた




叫ぶ。




「俺にも好きな女が出来ますように!」





きっと誰かの悪戯だ




こんな、こんな純粋な玲の想いを



悲劇の終幕の道具にしてしまうなんて―――。






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