そら。―HAPPY STORY―
俺は、俯いて声を詰まらせる夏美にそっと手を置いた。
俺に―――できること。
優しく、夏美の額にキスを落とす。
夏美を、安心させること。
「…夏美。何かあったら、必ず俺を呼べよ?いつだって、駆け付けるからさ」
愛してる
きっと愛してるという感情は、自然と流れてくるものだ。
夏美の黒い黒い髪を抱きながら、俺は悔しさに唇を噛んだ。
俺は夏美を愛してる。
言葉だけでは、きっと夏美を守ることなどできない。
俺に―――