そら。―HAPPY STORY―

もう、夜になりかけていた。


うつむいて両手を握り締める夏美を見つめながら、



「帰らなくて大丈夫か?」



気になっていたことを聞いてみた。


しばらくの沈黙のあと、夏美は首を縦に振った。



「…帰りたく、ない…」


また、俺は夏美を傷つけた
かな…。



ナンパからも、お前を守れなかったなんて、俺最低だよな。


もっと夏美の側に居ればよかった。





なんで…


こんなに苦しいんだろう。



なんで




二度と幸せが戻らないと

感じるんだろう。









< 84 / 152 >

この作品をシェア

pagetop