そら。―HAPPY STORY―
もう、夜になりかけていた。
うつむいて両手を握り締める夏美を見つめながら、
「帰らなくて大丈夫か?」
気になっていたことを聞いてみた。
しばらくの沈黙のあと、夏美は首を縦に振った。
「…帰りたく、ない…」
また、俺は夏美を傷つけた
かな…。
ナンパからも、お前を守れなかったなんて、俺最低だよな。
もっと夏美の側に居ればよかった。
なんで…
こんなに苦しいんだろう。
なんで
二度と幸せが戻らないと
感じるんだろう。