そら。―HAPPY STORY―
「お邪魔、します…」
落ち着かない様子で、夏美は家に足を入れた。
その表情には好奇心が渦巻いていて、
先程までの暗さはないようだ。
「きっれい…!すごく豪華なんだね…!」
「安物だよ。ま、座って。あとこれ、冷えないように掛け布団な」
箪笥から引っ張り出した小さな掛け布団を、夏美に放り投げた。
少し…
光が「投げないでよー」と言って笑った日を思い出した
「ありがとう、…香」
白く純粋な、無垢な笑みを俺に向けて浮かべる。