そら。―HAPPY STORY―

「かっ…香? どなた?」


ちょっと震えつつも馬鹿にされたくなくて、

なるべく強い声で
香に聞いた。


香は1秒コンマを置き、ふんわりと答える。


「ああ…妹だよ。 ただ一人の家族」


理解が浸透して、
『ただ一人の家族』と
『彼女の暗く低い声』が
頭の中で重なった。

そして。

私は思わず口にしていた。



「…私が、家族になったら―――」









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