馬鹿な子ほど可愛い




「あのね、麻理がね、合コン来てって
泣いて頼むから。
人数足りないんだって。
麻理この合コンにかけてるって
可哀想でしょう?」




ない頭で必死に考えて
やっと彼が望む答えを出した彼女
理由もわかり、ほっと一息。
理由がわかれば彼も安心だ。




「理由はわかった」


「よかったー。なら…」


「駄目だ。」




彼女の喜びは彼のたった3文字の言葉で
儚く崩れ落ちるのだ。




理由はわかった、
だが自分が彼女を合コンに行かせる
その理由はわからない。

そもそもそんな許可が出るわけもない
何故彼女を他の男がいる場所へと
喜んで見送らなければならないのだ




「どうして?」




あぁ、愛しの馬鹿は
合コンという意味さえも
知らないのではないのかと
悲しいと同時に呆れてしまう。





「お前合コン知ってる?」


「知ってる!合同コンパ」


「いや、そーだけどよ…」




略した言葉を元に戻せなど
言った覚えはないのだが…


あぁ、やっぱり…彼女は馬鹿だ
どうすれば成長するのだろうか

これでも大学生というのだから
人生きっとなにが起こっても
不思議はないのだと思ってしまう





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