ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「俺のこと信頼してるみたいだけど、なんで? 
CD貸すなんて嘘にも合わせてくれたし」


「なんとなく。
昔から知ってるような気がするの。
おかしいよね、出会ったばかりなのに」


レオは悲しげな瞳で茜を見つめた。


「俺にも気をつけろ」


「どうして?」


「どうしても。あんまり近付くな」


茜はショックで立ち尽くした。


近付くなだなんて……。


近付いちゃ、いけないの?


「ほら、寒いから早く家に入れ」


「……うん」


茜はがっくりと肩を落としたまま、玄関のドアを開けた。


レオはじっと茜を見上げていた。
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