ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
部屋のドアを閉めた二人は、ふうとため息を吐いた。


廊下を歩きながら日向がバドに話しかける。


「茜ちゃんはヴァンパイアになったのか?」


「そのようですね。
目が覚めた瞬間、匂いがヴァンパイアの血に変化してましたから」


「よく成功したなぁ」


「キルリアがレオ様の叔父というのが影響していたのでしょう。
少し遠いですが、血が繋がってますからね」


「なるほど、良かったやん。でも……」


日向は腕を頭の後ろで組み、ぼそりと呟いた。


「家族と離れ離れになって寂しいやろなぁ」


「日向様は寂しいのですか?」


「……ちょっと、な」
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