ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「怜央」


キッチンにいた真央が声を掛けてきた。


「気をつけてね」


心配そうな瞳。


無理もない、息子の通っている高校でこんな事件が起きたのでは。


生徒会がこの事件の犯人を捜しているのは内緒にしよう。


余計な心配をかけさせたくない。


そう思って怜央は「大丈夫だよ。何の心配もいらない」と自信たっぷりに答えた。


それでも真央の瞳から不安気な色が消えることはなかった。
< 52 / 370 >

この作品をシェア

pagetop